失踪、そして消えない嫌悪感。
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州都での楽しい一時を満喫した僕らは、Tとの待ち合わせ場所であるいつもの運動場へと向かう。しかし運動場まであと5分足らずというところで僕はPrestoを見失う事になる。





いつもの散歩道を運動場へと向かう僕とPresto。するとリード無しの雑種の中・大型犬三匹が前方から僕らに向かってガウッて来た。三匹がガウっているのに遥か後方にいる飼い主はおかまい無し。
以前リードをしている犬に対し強引な態度に出るノーリードの犬は相手のリードが外された時点で友好的になるという話を聞いたのでPrestoのリードを外してみる事に。

しかしそれが間違いの元だった。この三匹は一向に収まる気配も、お互いの友好と身分確認の為の匂い嗅ぎを始める様子も無くPrestoにガウり続ける。
するとPrestoがいきなり全速力で運動場の方へと向けて爆走を始め、その後を一番ガタイの大きい(ワイマラー程の大きさ)犬がPrestoの後を追いかけていった(ここでもオヤジはPrestoを追いかけている自分の犬に対してノーコマンド)。

普段なら10m程走った後で方向を変え僕のところに戻って来る筈のPrestoが、僕の静止のコマンドも聞かずにそのまま直線爆走を続け僕の視界の外へと消えていった(散歩道は少しカーブしているのでここで一度見失う事になる)。焦って後を追う僕。そしてオドオドとするだけで何もしない飼い主のオヤジ。

Prestoを追いかけて散歩道の直線半分くらいに達したところで、Prestoがものすごい勢いで僕のいる方向へと爆走して来る。すかさず僕は「STOP!!」と大声でコマンドを出したにもかかわらずPrestoは無視して町の中心を走る車が常時多く行き交う本道へ向けて爆走していった。そしてPrestoに4犬身(大型犬のサイズで)ほど遅れて例の大型犬がPrestoの後を追っていった。


ただ事ではないと察した僕は後を追いつつ大声で「Presto!!」と叫ぶものの戻って来る気配は一切無し。大型犬の飼い主のオヤジは自分の飼い犬が車の多い本道に向かったのにもおかまい無しに、残る二頭を呑気に回収し、追いかける気配も探す仕草すら見せない。
逃げた二匹を追って後を焦って追っていると、Prestoを狩っていた大型犬のみが本道の方からノロノロと帰って来る。しかしPrestoの姿はそこには無かった。
帰って来た自分の犬を回収しPrestoのことなど知ったこっちゃないという感じで早々に僕に手を振ってその場を去る糞オヤジ。勿論その時はそんなコトに構う暇も無く僕は必死でPrestoを探す。


丁度その時、運動場で僕らの事を待っていたTから電話があり僕は焦りながら事の次第をTに説明する。たまたま自転車で来ていたTと僕は直に合流して二手に分かれてPrestoを探す。
僕はPrestoが戻って来る可能性を信じて散歩道とその周辺を。Tは本道までの2ブロック程を。しかしPrestoは何処にも居なかった。

Tはきっと我が家に逃げ帰ったのだと主張し家に向かう事に。僕はPrestoが車の行き来の多い本道を渡り我が家に行く筈は無いと思い、もう一度散歩同周辺を必死に探す。そのとき僕の頭を過ったのは、無惨にも本道で車に轢かれてしまったPresto。もう二度とPrestoを抱きしめる事も出来ないのではないかという焦燥。そしてリードを外してしまった自責の念。
そんな事が僕の頭をグルグルまわっている時にTから「Presto、無事我が家の前で発見!」の電話がかかって来る。

本道の信号を反対側に渡ったあたりで、お隣さんの3人娘がノーリードのPrestoを発見。3人娘がPrestoを僕らの家の前まで連れて来てくれたのこと。

とにかくPrestoが奇跡的に無事で何事に無かった事に僕らは胸をなで下ろす。しかし僕の心の中の嫌悪感は時間が経つうちに沸々大きくなっていき、その夜にはブログの更新をする気にも何もする気にもなれず、一晩経った今日も心の中のわだかまりは消えなかった。
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今日の午後の記事への皆さんからのコメントにある通り、ドイツという国は犬飼にとって非常に寛容で過ごし易い国である。

愛犬と一緒に電車に乗る事も出来る、食料品店以外は買い物同伴も問題無し、勿論レストランやカフェへも一緒に行ける。躾けの出来ている犬なら大都会の真ん中をリードフリーで歩いている犬さえ見かける事すらある。

しかしこの一見犬飼にとって何でも有りの楽園のようにみえるこの現状は、すべて「犬が躾けられている」という暗黙の了解の上に成り立っている。

吠え癖のある犬は勿論レストランにも買い物に行く事は出来ないし、呼び戻しや「つけ」の出来ない犬をリード無しで散歩するのは非常に大きなリスクを伴っている。

例えばリード無しの犬が散歩をしている人に向かって行き(例え犬としては興味があっただけにしても)その人が驚いて転んで怪我した場合、警察を呼ぶ事だって出来るし、事によっては裁判沙汰になったり賠償金を払う必要さえある。また不幸にもノーリードの犬が人に噛み付いてしまった場合、その犬は安楽死させなければ行けないリスクさえある。

そういう事を承知で犬飼は愛犬をノーリードで散歩させるのである。僕らのPrestoはまだ完全に呼び戻しが効かないので、町中の散歩道では(例えそこに人がいなくても)リードを外す事は無い。
僕らがリードを外すのは「STOP!!」のコマンドの効く運動場か、いつものお馴染みの自然一杯の田舎の農耕地帯のみ。そこでも常時人や犬が来ないかを気をつけながら散歩している。


昨日の出来事では、ノーリードで歩いている犬(それも三匹同時)達の「躾けられている」という普通の常識を踏まえてリードを外してしまった自分に対して許せない気持ちは勿論ある。
しかし「躾けのされていない」犬をノーリードで、しかも自分の犬のことしか考えていないこの飼い主のオヤジに対して非常に嫌な気持ちで一杯になってしまった。
というのも悪いのは犬ではないのだ。躾けも愛犬のコントロールも出来ないこのオヤジが一番の問題なのだ。勿論いかなる状況下であろうと「STOP!!」のコマンドを完全に躾けていなかった僕にも否はある。しかしあまりにも無責任なこの飼い主の行動を僕は絶対に忘れる事は無い。


Tにいわれて気付いたのだが、この飼い主、家から脱走するこの大型犬を捕まえると同時に手に持っていた傘で叩いているのを僕らは目にした事があったのだった(この時は飼い犬虐待を通報しなくちゃねと冗談で言っていた)。


躾けもろくに出来なければ平気で愛犬をも虐待する。こんな飼い主には絶対になりたくないし、こんな飼い主に飼われている(監禁されている)犬達が不憫でならない。
by presto-presto | 2009-08-01 07:37
<< 初めてのスイミング。 Presto、州都へ行く。 >>



-僕とパートナー・Tと共にドイツで暮らすウィペット・プレストとの日常の記録。                 Presto:2008年9月18日生まれの♂のWhippet。           
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