2011 Windhund Festival -アザワクさん、いらっしゃい
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何だか良くわからないタイトルをつけてしまったけれど(大汗)アザワク好きでアザワクを生で見る為に渡独を検討していたKazooさんに捧げる、今年のサイトハウンドフェスティバルで見かけたアザワクの特集(笑)。




アザワク(Azawakh)はアフリカのマリ共和国原産のサイトハウンド。別名であるトゥアレグ・スルーギ(Tuareg Sloughi)の名が示すように、1981年にFCIに犬種認定されるまではアフリカ・モロッコ原産のスルーギと同じクラスに分類されていたらしい(というかそもそもの頭数がそれ程まマリ以外で現存しなかった為その存在が知られていなかった様子)。

さて、それではまずはアザワクの原産国・マリ共和国について。何処にマリ共和国があるのかピンと来る人は早々いない筈(実は僕も何処にマリがあるのか知らなかった。笑)。という事で何処にマリ共和国が位置するかというと・・・
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アルジェリア、モーリタニア、ギニア、セネガル等に囲まれたアフリカ大陸の北西内陸部に位置する海の無い内陸国。北部はサハラ砂漠に覆われ、南部に流れる川の周辺のみで農耕が可能な非常に乾燥した気候の国(らしい。←行った事無いので。汗)。鉱物資源がとても豊富に産出されるらしく、日本とはウラン(たぶん原発の燃料にする為)の独占契約を結んでいるとの事。詳しくはWikipediaの『マリ共和国』を参照のこと。

アザワクはこのマリ共和国の中でもトゥアレグ族というベルベル系の遊牧民だけが所有していた希少犬種。
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それでは今日の主役、アザワクさん、いらっしゃい!
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写真を見ての通り、細い体躯のサイトハウンドの中でもさらに細い印象を受けるアザワク。「あなた体脂肪何%?」と思わず訊いてみたくなる程、脂肪など一切なさそうな全身筋肉に覆われたカラダが印象的。
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そして何といっても特徴的なのがアザワクの『お尻』。まさに骨盤の上に皮だけが存在するような、平で直線的なシルエットのヒップライン。これはウィペットやグレイハウンド、ガルゴ・エスパニョール等のヨーロッパ系サイトハウンドの優雅にアーチを描くヒップラインと大きく異なる点。
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この写真では今ひとつわかり辛いかも知れないけれど、スルーギもアザワクに近い、鋭角で平らなヒップライン。スルーギとアザワク、よ〜く見てみると似ているようで似ていないのがとても面白い。ちなみに個人的な感想として、細くて毛がガサガサ気味で先っぽがクルリンと丸まっている事の多いスルーギの尻尾よりも、太めでコートの美しい優雅なカーブを描くアザワクの尻尾の方が好み(←これはウィペットにも言える事で、実は尻尾フェチ(?)な僕。汗)。
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このアザワク。写真を見てもわかるように前や後ろから見ると非常に"薄い"(笑)。横から見るとサルーキーやアフガン、ガルゴ等の大型犬の大きさなのだけれど、前後から見ると、ウィペットとほとんど変わらない、もしくはウィペットよりも薄い幅に非常に驚く。小さな頭、長い首と足。贅肉の一切無い直線的で鋭角的なシルエットはまるでアフリカ出身のマラソン選手のよう。
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コートは写真のようなレッド(茶及び焦げ茶。軽いブリンドルもオッケー)がFCIのスタンダードとされているけれど、今回一緒にショーを見学した獣医の京子アルシャーさんによると、原産国のマリにはFCIでは認められていないクリームや黒などレッド系以外の多種なコートのアザワクが存在するとの事。将来的にアザワクという犬種の健全な繁殖を考えた場合、これらのオリジナルに存在するクリーム系や黒系のアザワクの存在を認めない事には血液プールの多様性に偏りが出て、遺伝子疾患などが発症するかも知れ無いとの危険性を京子さんが語ってくれた。

ちなみにこの繁殖の問題は勿論ウィペットや他の犬種にも言える事で、ある一系統のコート(例えばブルーのウィペットの家系だとかクリームのダックスの家系とか)のみが生まれるように繁殖した場合、かなり異なる血統の個体を繁殖に用いないと、血が近過ぎて遺伝子疾患が発症する確率が高くなるとのこと。例えばPrestoの血統書を見ても、3代前までの血筋が記されていて、その3代前までの親犬14頭全てにおいて近しい血縁関係は無し。これは繁殖の現場において犬種の健全な未来を考えた場合、近過ぎる血縁関係が無いというのは基本、且つ非常に重要な事であるとのこと(勿論毛色だけではなく体格、性格、特性などその他色々な要因を熟慮して繁殖は行なわれる)。
※京子さんが教えてくれたマリ共和国現地のアザワクの事をより知る事が出来るホームページ『 A・B・I・S 』に現地の様々なコートのアザワクの写真があるので興味のある方は参照の事(サイトはドイツ語と英語。ホームページ右上で言語変更可能)。
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このアザワクも他のサイトハウンド同様、無駄に吠えるという事は無いけれど、テリトリー意識が強く、自分の認めた飼い主に忠実という性格から、誰にでもフレンドリーで尻尾を振って懐く性格ではないとの事(そのため、時に他の犬に自分の優位性を示す為に強く出る事もあるらしい)。

京子さんからアザワクの気質について伺っている時にとても印象的だったのが「アザワクは人が犬を選ぶのではなくて、犬が人を選ぶ」という言葉。これは他の多くの犬種のように人が犬を選び躾けていくのではなくて、犬に認められた人だけがアザワクの主人になれるという、とてもこの犬種の気質を表している言葉だと感じた。
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今回たまたま爆走するアザワクを目にする事が出来たのだけれど、その走りに正直ビックリ。実は一般的に足の速いと言われるサイトハウンドとひとくくりにしてもグレイハウンドとウィペットの速さは別格とだと思っていた僕。しかし今回アザワクの爆走を見て、実はアザワクもウィペットに負けず劣らずの俊足だという事にビックリ。アザワク、俊足なだけでなくかなりのスタミナの持ち主らしく、アザワクを飼うとなると普通の散歩では勿論満足する訳は無く、広大な土地を時間をかけて思いっきり走らせてあげる必要があるので、都市部での飼育には向かない犬とのこと。

上の写真はgo&kazooさんちのジョジョではなくて(笑)爆走中のアザワク。ウィペットよりもカーブでは小回りが利く感じで、その目標を何処までも追いかけて狩るという狩猟スタイルにピッタリな見ていて胸のすくような美しい走りだった。
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基本的にマリ共和国のトゥアレグ族所有の犬種だったアザワク。今ではパートナー国であるフランスが中心となりドイツやスイス、アメリカといった国々でも種の保存を目的としたブリーディングが行なわれている。どの国でも非常に登録頭数の少ない希少犬種のため、各国のブリーダーが連絡を取り合い血が濃くなりすぎないように国境を越えた交配が行なわれ、また本国マリ共和国からも積極的に原産犬を取り寄せ犬種の保存の為の真剣なブリーディングが現在進行形で行なわれているというのもこのアザワクとう犬種の特徴かもしれない。

ちなみにVDH(Verband für das Deutsche Hundewesen)に登録されている2010年のアザワクの頭数は僅か36頭!10年前の2000年にはたったの26頭と非常にその数は少なくまさに希少犬種のうちの一つ(ちなみに2010年のウィペットの登録数は570頭。ドイツシェパードは驚きの14501頭)。
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と長くはなってしまったものの(汗)ごくごく簡単にアザワクについてまとめてみた(気分は夏休みの宿題の自由研究レポート完成。爆)。
しかしドイツでもたったの36頭しか登録されていない希少種のアザワク。そんな普段出会う確率は殆どないに等しい希少なサイトハウンドに直に触れる事が出来るのもこのサイトハウンドフェスティバルの素晴らしいところ。さて来年はどんな犬種にお目にかかれるのか来年が非常に楽しみ。

さて長らく続いているサイトハウンドフェスティバル特集。まだしばらく続く予定だけれど完結出来るのかどうかちょっと心配(というわけでまだ"つづく")。

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by presto-presto | 2011-08-26 20:42
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-僕とパートナー・Tと共にドイツで暮らすウィペット・プレストとの日常の記録。                 Presto:2008年9月18日生まれの♂のWhippet。           
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